なぁ空我……笑ってて。


お願いだから、何があっても笑ってて。


お前が笑ってるだけで、俺は、生きててよかったと思えるから。


――大好きだったよ、空我。


――友達として。


――恩人として。


――そして何よりも、たった一人のかけがえのない親友として。


本当に、愛してたよ……。


明け方、気がつくと俺のベッドの上には、投げ出されたように、乱雑にトートバッグが置かれていた。それはまるで、ついさっき泣き寝入りした空我の戸惑いの気持ちを現しているようかのだった。

俺は殆ど何も考えずに、ベッドの下からスーツケースを取り出して、チャックを開けた。その中に入っていた薬の袋と、空我の隣に置かれていたパソコンをトートバッグに入れると、俺はそれを肩にかけて、寝室を出た。

「……じゃあな、俺の天使」

そう、他人事のように小さく呟いて。