ここでもしアレを見られたら、すべてが無駄になってしまう。 ――ダメだ。 それだけは、絶対に避けないといけない。 俺は走って病室を出ると、そのまま病院そのものを抜け出して別荘に向かおうとした。 「はぁ……。やっぱ駄目だな」 でも俺は、そらからすぐに息切れがして、病院の出入口のところで、足を止めた。 余命2ヶ月で走ろうってのは、無理な話だよな……。 でも、急がないと……。