「嘘でしょ……?」

「………」


無視した。何も答えなかった。……いや、答える資格なんて、今嘘をついてる俺にはないとさえ思った。


「ねぇなんで?生きる意味を見つけるんじゃなかったの?一緒に、幸せになるんじゃなかったの……?」


「――俺、そんなこと言ったっけ?」

「……っ、最低!嘘つき!!もう知らないっ!!」


投げやりにそう言って、電話は切られた。


君に、最期の嘘をついた。


それも、今までで一番タチの悪い嘘を。


「うっ、うあっ、あああっ!!」


――通話が終わった瞬間、俺は絶叫を上げた。


全てが終わった。


ありったけの苦痛と悲しみを俺に残して、その日、


君は俺の前から消えた。




――心の中から無理矢理かき消した。君の存在も、想いも全て。