「えっと、……」

「……すみません、先生。……帰ってくれませんか。病気のことは既に美弥香に伝えてあるんですよね?だったら全部美弥香から聞くので。すみません」

先生が話を始める前に、俺はそう言った。

姉がチラつく。今俺がしてることは、空我達にとって最低最悪なことだ。たぶん本当の姉が知ったら、 すぐにやめろって言うことだ。


そう思うと、後ろめたさが倒れそうなくらい募って、とても、先生とは向き合う気になれなかった。

「……わかりました。それじゃあ、もう面会時間を過ぎてるので、美弥香くんは話が終わったら、すぐに帰ってくださいね。失礼します」

お辞儀をして、先生は帰っていた。


あからさまに傷ついた顔をしないのがまた姉らしくて、喉から全て吐き出してしまいたくなるほど、罪悪感は募った。