目の前で着ることもできないのに、果たしてそれは、約束を守ったって言えるんだろうか……。


美弥香……。


迷いがあったらやめろなんて、そんな無理なことは言わないでくれ……。


なんで、そんなこと言うんだよ。


……俺の共犯者のくせに。


迷いならあるよ。


後悔だってあるよ。


腐るほどに。


でも今更、どうしろって言うんだ?


俺はもうすぐ死ぬんだよって、もうそばにはいれないんだよって、伝えればいいのか?


泣かせるに決まってるのに?


――馬鹿美弥佳。


……そんなことができたら、苦労しないんだよ。