目の前で着ることもできないのに、果たしてそれは、約束を守ったって言えるんだろうか……。
美弥香……。
迷いがあったらやめろなんて、そんな無理なことは言わないでくれ……。
なんで、そんなこと言うんだよ。
……俺の共犯者のくせに。
迷いならあるよ。
後悔だってあるよ。
腐るほどに。
でも今更、どうしろって言うんだ?
俺はもうすぐ死ぬんだよって、もうそばにはいれないんだよって、伝えればいいのか?
泣かせるに決まってるのに?
――馬鹿美弥佳。
……そんなことができたら、苦労しないんだよ。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…