「おいコラ!聞こえてるからなー!!」

俺達の方に戻ってくると、空我は頬を膨らませて、そう拗ねたみたいに言った。

「冗談だよ、バーカ!!」

空我の背中を叩いて、笑いながら俺は言った。俺はもはや、わざとらしいくらい元気に振舞った。そうでもしないと、何もかも喋りたくなってしまいそうだったから。――病気のことも、それのせいで、沢山の嘘をついてることも。――そして、あと四日で、お前らとはもう会えなくなることも。


‘‘でも、少しでも迷いがあるなら、すぐにやめろ。……でないと、後悔するぞ”

ふと、さっきとは違う、昨日の夜美弥香に言われた言葉が、頭をよぎった。

後悔してもいいから四人のそばにいたいと、空我をこの旅行でどうにか笑わせたいと思ったのは、他でもない自分だ。

それなのに俺は、どうして満たされないんだ?

確かに、昨日空我が海で遊んでるのを見た時は、本当に涙が出るほど嬉しかったハズなのに……。