「なーに二人で楽しそうにしてんだよ。ほら」

手作りのホットドックが入ったタッパーを、俺と恵美の方に突き出して、空我は不満げに声を漏らした。

「……そうだな。食べるか!」

俺はそれを受け取ると、靴を脱いでレジャーシートの上に乗った後、空我の頭を撫でて笑った。
シートの上に座り、俺はタッパーの蓋を開けた。ナプキンに包まれたホットドックを1つ掴むと、俺はそれを、ナプキンを避けて口に運んだ。

「あっつ!?」

「アハハハハ!!引っかかったなー奈々絵!それ純恋が出かける前に作ったから、まだ焼きたてなんだよ!」


そう言って、空我は可笑しそうに笑った。

こいつ、ハメやがったな……。

「空我ぁ〜」

「あっつ!?」


ムカついた俺は、空我の口の中に、タッパーに残っていたホットドックを一つ投げ入れた。