「なっ、お前はいちいち大袈裟なんだよ!バーカ!!」

頬をリンゴみたいに赤くして、空我は投げやりにそう言った。

「……俺が落ち込んでた時だって、あんな必死になってさ、本当にいちいち大袈裟なんだよ。そんなことする価値俺にはねぇのに……」

髪を引っ掻いて、罰が悪そうに空我は言った。

「価値がないなんて言うなよ……。お前に価値があると思うのが馬鹿なら、俺は一生馬鹿でいいよ」

空我の頭を撫でて、俺は言った。

「それって……」

空我は目を見開いて、呆然と言った。

「ああ、昔、お前が俺に言った言葉だ。あの言葉で、俺はお前に救われた。――今度は俺がお前を救ってやるよ。……笑えよ、空我。何があっても」

「っう……」


俺が頬に手を当てると、空我は俺の手首を握りながら、嗚咽を漏らして泣いた。


なあ、空我、本当に笑えよ……たとえ、俺が死んでも。


でないと、許さないからな……。