それを聞いた俺は、粥が入った鍋の蓋を閉じて、すぐにベットから立ち上がった。
「はぁっ、はぁっ」
「わっ、奈々絵、大丈夫?急にどうしたの?」
すぐに呼吸困難に陥りそうになった俺の肩を、慌てて恵美は支えた。
ベットの上に雑に置かれていた薬のポーチを取ると、俺はその隣に置かれていた水の入ったペットボトルもとって、それのキャップを開けた。
「はぁっ……たい」
口に入れた薬を水で流し込むと、恵美の服の裾を掴んで、掠れた声で俺は口を開いた。
「え?」
首を傾げて、恵美は不思議そうに俺の顔を覗き込んだ。
「……空我たちが遊んでるの見たい」
「……うん、いいよ。一階のベランダに行こうか」
俺の頭を撫でると、恵美はそう言って、嬉しそうに笑った。