「――あの日以来、空我は俺の生きる希望なんだよ」

「……」

空我との昔のことを話し終えても、美弥香は黙って話を聞いていた。


「……俺さ、空我がなんで俺を助けたのか、ずっとわかんなかったんだ。虐待されて自分のことで精一杯のハズなのに、なんで助けたのかすげー疑問だった。

でも、やっと分かったんだ。――助ける暇があるかどうかじゃない、助けたいかどうかだ。空我は俺が助けを必要としてるのに気づいて、ちゃんと助けてくれた。

――今度は俺が助ける番だ」


そう言って、俺は満足そうに笑った。