** 空が眩しいことと、世界が酷いことを、神を信じなくなったあの日、俺は思い知った。 灰色の機会と、白いベットの上に雑に敷かれたシーツと毛布と、同じ色をした枕を見て。 それらを見ただけで、姉が死んで自分が生きたんだという事実を、認識して。 そして、のちに思った。 ――そんなことを思い知るのは、自分だけでいいと。 空我だけには、そんな惨い現実のせいで、自分の髪色と同じ色の澄んだ青を、嫌いになって欲しくないと。