「俺、死ぬまでに後何回空我の笑顔を見れるかわかんないしさ、たった一つでもいいから、空我の笑顔を増やしたいと思ったんだ」

「……お前、本当にそれでいいと思ってるのか?

……っ、このままだとお前、身も心もボロボロになるぞ」


泣きそうな声で、悔しそうに美弥香は言った。


「ああ、……それでいいよ。あいつが笑ってくれるなら」


俺はそう言って、また、困ったように笑った。



――俺は自分のためじゃなくて、人のために、生きた意味を見つけなきゃいけない。


死にたくないって、空我達のそばにいたいって思っても、それは無理だから。



――笑えよ、空我。


例え、俺が死んでも。



神様を信じてなかった俺が、お前の笑顔のためだけに、神にもすがろうとしたんだから。


ちゃんと、笑えよ……。


――お前が笑うことが、今も昔も、俺の生きる希望なんだから。