隣を見ると、田野君は握りしめた拳をぶるぶると震わせてる。泣きそうな顔だ。

「やっぱりさ、田野を選んだのはまちがえてるよな」
もう、我慢できない。私が口を開いた時…

「ちょ…」


「ふざけるなよ!」

びくっ!その場にいた人はみんなびっくりした。
これは…田野君の声?
田野君がこんなに怒ったところ見たことない。
「僕が代表になったのは、お前たちよりも走るのが速いから。ただそれだけ。」
ぐっと言葉につまる三年生
「それで悔しいんだったら、悪口言う時間も練習したらいいじゃないか。 三藤先輩みたいに、努力してないくせに。」