もし俺のほうが家を出るのが早かったら。 「はーると!おはよっ!」 後ろから走ってきて俺の背中をポンとたたき、覗きこむようにして笑う顔も。 もし俺のほうが家を出るのが遅かったら。 「っあ!遥斗ぉ!」 振り返り、俺が来るまで立ち止まったままニコニコして待つ顔も。 俺は両方、好きだった。