──翌日。体育祭本番。
心配無用なカンカン晴れ。青々と広がる空は、思わず探してしまうほど雲ひとつ見えやしない。
「がんばれ~!!」
「いけいけ~!!」
今行われている種目は、プログラム3番の、障害物競争。
竜が出場している。
「あはははは!竜、ピンポン玉どこやってんの~!?」
竜が面白すぎる。
お玉でピンポン玉を運ぶところがあるんだけど、3回も落としてるし、ピンポン玉観覧席まで転がっていってるし。
「桂木くんさっき、俺にまかしとけ!て言ってなかったっけ!?」
隣にいる優香もキャッキャと笑っている。
「言ってた言ってた!これはもうまた竜をいじるネタができちゃったね!!」
「うふふ!わたしも今度使お~!」
このあとブロックのテントに戻ってきた竜は「絶対来年は出ねえ!!!!」なんてキレたように恥ずかしがっていた。
優香とわたしが出場するのは綱引きと、棒とり。
そしてわたしがプラス100メートル走。
優香も個人競技に出たらよかったのに、「絶対いや!笑ちゃん、わたしの運動音痴さ知らないでしょ!?」と珍しく拒否していた。
たしかに優香はどちらかというと運動が得意でない。
体育の授業の優香を見ていたら失礼ながらだいたいわかる。