「そういえば、影のグループ。まだ存在しているんですって?今はなにをしているの?」
「あー…もう、なくなるけどな」
「それ、仁も言っていたのだけど。一体どういうこと?」
そう言えば、綾はジリっと仁をにらみ。
「説明してねえの?」
と呟いた。
仁は、ああとだけ返すと。
「説明する」
とあたしに向き直った。
「お前にああ言われてから、影から出て活躍したいとか、族を出たいとか、そんなことを言う奴が出てきてな」
もう、3人もいねえなあと、仁は思い出すように笑った。
「やってんのは、生徒会長と、気ままな自由人」
生徒会長…は、なんとなく憶えているけど。
「気ままな自由人って?」
「あいつだよ。尼崎 彗汰(あまがさき けいた)影を紹介した時にお前に楯突いてた、あいつ」
綾の言葉で正確に思い出した。
「…そういえば、懐かしいわね。彼らは一体なにを?」
「それは影だからな」
人差し指を唇に当てると秘密、と笑った。