「…ねえ、仁。陽太のあれって」

「なんでもねえ。それよりお前、したのやつらが来た時、俺の手を離したろ」

「え…だって、仁がもみくちゃにされると悪いし」

それに、仁がいると、したっぱ君たちはあたしと話せないような気がしたから。

仁はここの王様で、王様に従うから今がある。

あまり、刺激するようなことはしたくないはず。

「だからってな」

「それにすぐに戻らなかったのは、仁も今はそんな時間にしたほうがいいと思ったからでしょう?」

そう言えば、仁はクスリと笑った。

「…なんだ、分かってんじゃん」

「ふふ。それくらい疎くたって分かりますから」

そう言いながら階段をのぼる。

そして、目的の部屋の前に。