「そうですよ!和佳菜さんの居場所はここですから。いなくならないでくださいよ」
「そうですよ。和佳菜さん居なくなって、しょぼくれてるやつだって居たんですから」
そうだ、そうだ、と、みんながあたしに駆け寄ってくれた。
もみくちゃにされたあたしはそっと仁の手を離した。
あたしはずるくて、マークばかり好きで。
だけどそんなことをしていても、みんなそんなことをしていたって、分かっていても、
それでもあたしのそばに来てくれた。
「みんな、仁と同じことを言う…」
『和佳菜の居場所はここだから』
優しいくて、暖かくて、グッと、胸に刺さるような響きを持つこの言葉を、もう忘れないと心に誓った。