「あのね、黄色! こっこと一緒なの! 蓮くんは?」
違う話題になった瞬間、戻されるテンション。
単純というか、うるさいというか。
まあ、叶花がこうじゃなかったら、逆に怖い。
「青」
「蓮くんにぴったりだね! すみれ先輩と雨宮先輩は?」
「私は赤だよ」
「僕も赤」
「蓮くん一人だ!」
……だからなんだ。
というか、なんのために聞いたんだ。
「でもダンスかあ。やりたかった!」
「あれ、叶花ちゃんやらないの?」
……いい加減学んでくれ、本当に。
あまり強制的に話題を逸らしていたら、俺が空気を読めないやつみたいになるだろ。
「んー……運動は禁止されてて」
俺がなにも言わなかったことを、助けられないと言われていると思ったのか、ほんの少し、本当のことを言った。
「そうなんだ……」
あーあ。
空気が重くなった。