「じゃあ一緒にお花見しよう!」
……変に考えてる俺がバカみたいになってくる。
こいつくらい、俺も素直だったらなにか違ったのかもしれない。
「ごめんね、叶花ちゃん。私たち、お弁当持ってきてないの」
「叶花たちの、食べたらいいよ! ね、パパ!」
……さすがにわがまますぎだろ。
「そうだなあ。二人じゃ多いかもしれないからなあ」
そして親も甘すぎ。
なんだこれ。
「じゃあお言葉に甘えちゃおっかな」
母さんもか。
付き合ってられない。
「俺は……」
「蓮、ちょっとおいで」
帰るって言おうと思ったら、母さんに邪魔された。
そして、二人から少し離れたところに連れていかれた。
「叶花ちゃん、ずっと病院にいて、今日が本当に久しぶりの外出なの」
「だからなに? 俺との外出は少ないくせに」
……しまった。
これはさすがにない。
「そうだよね。ごめん、蓮」