俺がそんなことを言ったせいか、母さんと男の人は、気まずそうな顔をしている。


そんなに、悪いことを言ったのか……?



「叶花!」



だけど、そんな大人たちとは真逆に、元気よく名乗り出てきた。



「……は?」


「だから、びょーき! 叶花だよ!」



いや、待て待て……


こんな明るく言うことじゃなくないか?



「叶花ね、いつも病院にいるの。それで、今日はお出かけしていいよ!って、瞳ちゃんが言ってくれたの!」



そう言って、母さんに抱きついた。



「瞳ちゃんも、れんくんとお花見に来たの?」



さっきのを見てて、どうしてそう言えるんだ。


とは、言えなかった。



これ以上、余計なことは言えないと思った。



「うん、そうだよ」



また、嘘だ。


でも、今回のはきっと、こいつのことを思っての嘘。



じゃあ、俺との約束は?


俺のことは、どうなんだ……