ちゃんと撮りに行く。
だが写真を撮るだけならまだいいが、それを現像しなきゃならないのがまた面倒。
叶花は俺が撮ってきた、ド下手な写真で、アルバムを作っている。
それが入院生活の中で、一つの楽しみになってるらしい。
……これもあるから、本当に断れないんだよ。
「叶花ちゃん、たまには僕が撮ってこようか?」
すると、俺が迷惑そうにしていると感じ取ってくれたのか、結斗さんがそう提案した。
そうだ、結斗さんが行けばいい。
別に俺にこだわる必要は……
「ううん、これは蓮くんの仕事だから。お兄ちゃんは勉強に集中してね」
……なんだよ、仕事って。
もしそうするなら、バイト代くらいくれてもいいだろ。
で?
勉強?
結斗さんは今大学生で、Y大学の医学部に在学しているらしい。
そりゃ叶花の願いはわかる。
だがな。
「俺も勉強あるんだけど」
これでも高校一年を終え、この春に二年になる。
まだ春休みで学校が始まってないとはいえ、課題がある。
春休み明けのテストだってある。
「蓮くん賢いじゃん」
「結斗さんだって賢いだろ」