叶花の言葉で、二人は苦笑した。
たしかに、楽しい空気を壊すような感じだったし、叶花が言うのはわかってたけど。
「でも、悪口じゃないんだよ、カナ」
「そうそう。真面目だねって、褒めてたの」
……いや、どこがだよ。
「真面目さは、こっこも負けてないよ?」
なぜ競いだした。
そして当の本人、こっこはケーキに夢中すぎ。
そんなに甘いものが好きだったのか。
「こっこ、俺のも食べるか?」
叶花が二人と話すのに集中している間に、こそっと聞いてみた。
「いいんですか?」
見たことないくらいの、輝いた目。
「どーぞ」
「じゃあ、遠慮なく」
そして皿を交換したとき。
「あ、蓮くん!」
見事にバレた。
だけど、叶花がなにかを言うより先に、こっこが一口食べた。
こっこ、よくやった。
叶花は頬を膨らませた。
「蓮くんのバカー……」
「俺からしてみれば、ケーキ食わされるのは罰ゲームなんだよ」