「あれ、蓮くん。そこでなにしてるの?」



休憩所で本を読んでいたら、話を聞き終えた結斗さんが戻ってきた。



「叶花とこっこが二人で話したいって」


「なるほど、じゃあ僕も戻らないほうがよさそうだ」



……だからって、俺の隣に座ることはないと思う。



結斗さんは真っ直ぐ前を、切なそうな目をして見ている。



「……蓮くんだから言うね。叶花ちゃん、もう学校には行けないそうだ」



……やっぱりか。



「叶花ちゃんにはもう言ってあるらしくて、こっこちゃんに話してるのは、そのことだと思うんだ」



まあ、そう予想したところだから、別にそこまで驚きはしない。



そして、俺を追い出したのは、きっとこっこがまた泣いたりなんだりすると、叶花が踏んだからだろう。



どこまでもこっこが大切なんだとわかる。


お互いあれだけ大切に思える関係、憧れはするけど必要性は感じない。



「……叶花ちゃん、あんなに楽しそうにしてたのに」