うっすらとカーテンの隙間から光が差し込むリビング。
1本だけ口にした煙草からゆっくりと立ち昇る煙が消えかけた頃、灰皿にそれを押し付けた。
「ふああ…」
思わず漏れそうになった欠伸を噛み殺しながら支度を済ませて寝室に向かうと、そこには可愛い寝顔を浮かべた彼女がすやすやと眠っている。
「…いってきます」
起こさないように小さな声でそっとそう呟くと。
「う〜ん…っ…」
返事の代わりに少しだけ身じろいだ彼女から小さな寝言が聞こえたものだから、思わず笑ってしまった。
工藤涼、31歳。
友人と一緒に立ち上げた飲食店「loop」で働きながら、彼女である斎木美己と暮らしてそろそろ2年になる。
モデルの仕事をしている彼女の1日は、始まりが少し遅めで帰りが遅い。
そして「loop」は、簡単に説明をするなら昼はカフェで夜はバー。
そんな店で主にカフェの時間帯を担当する俺にとって、こうして美己の寝顔に見送られて出勤するのが毎日の日課になっている。
1本だけ口にした煙草からゆっくりと立ち昇る煙が消えかけた頃、灰皿にそれを押し付けた。
「ふああ…」
思わず漏れそうになった欠伸を噛み殺しながら支度を済ませて寝室に向かうと、そこには可愛い寝顔を浮かべた彼女がすやすやと眠っている。
「…いってきます」
起こさないように小さな声でそっとそう呟くと。
「う〜ん…っ…」
返事の代わりに少しだけ身じろいだ彼女から小さな寝言が聞こえたものだから、思わず笑ってしまった。
工藤涼、31歳。
友人と一緒に立ち上げた飲食店「loop」で働きながら、彼女である斎木美己と暮らしてそろそろ2年になる。
モデルの仕事をしている彼女の1日は、始まりが少し遅めで帰りが遅い。
そして「loop」は、簡単に説明をするなら昼はカフェで夜はバー。
そんな店で主にカフェの時間帯を担当する俺にとって、こうして美己の寝顔に見送られて出勤するのが毎日の日課になっている。