「……先生いねぇなぁ〜。よしっ!!俺が消毒してや……っておい!まて!!」

「私は大丈夫です。バンソウコ、貼れば平気ですから。それじゃあ。」


にこっと笑って保健室を出た。
私にしてはこの平常心上出来じゃない!?心臓はまだバクバクしてるけど……

私は早歩きで歩いた。



新しい教室に着いたら葵と桃子がいた。


「さっきのどうなった?」
「はぇ?何が?」

「だからさっき、月島君にお姫様抱っこしてもらってたでしょ〜?い〜なぁ〜。ねぇ〜葵ぃ〜?」


桃子が羨ましそうな目で私を見た後、葵に目をやる。それに葵が素っ気なく答える。


「いや、別に。私はただ月島と雪のあの後が知りたい。…で、どうした?」

「いやぁ〜ん。つめた〜い葵おねぇさまぁ〜。」

桃子と葵の姉妹漫才に笑った後、
私は軽く笑って返事した。

「別になんもないし〜。結局バンソウコ貼っただけだもん。ほら。つか、なんで二人とも『月島、月島君』って……?名前知ってんの?」