「うーーん」




「朝っぱらから鼻唄歌ってると思ったら次は考え事か?」





兄が居たのにも気付かず私はしばらく洗面台の鏡と睨めっこしていたらしい。



「鏡の前で表情コロコロ変えて、お前の顔は朝から忙しいな。ひょっとこみたいだ。笑」




鼻で笑った兄が私に一言多いのはいつもの事だが、声はいつになく素っ気なかった。