「……流石じゃの、祥基」


「…………で、お前は何者なんだ、飛燕」


愛しげな瞳で、翠蓮を見つめる飛燕。


「こいつのことが、好きなのか?」


すると、飛燕は目を丸くして。


「……そういう、そなたはどうなのじゃ?」


「は?」


「翠蓮をえらく大事に、大切にしているようじゃが?」


……どうして、こうも勘違いされることが多いのか。


祥基はただ、白蓮の遺言を守っているだけだ。


そういう感情とは遠いし、黎祥から翠蓮を奪う気もない。


翠蓮は昔から可愛い妹で、それはこの先も揺るがない。


「…………フフッ、そんな顔をするな。そなたの気持ちは重々、承知しておる。少しからかってみただけじゃ」


「やめろ」


笑みを深める飛燕は、


「そなたは、五行説って知っておるかの?」


と、尋ねてきた。