___その日の仕事が終わり___


「それはひでーな!」


びっくりしたように大きな声で言い放ったのは

中学の頃からの友達の


中村達也だ。(なかむら たつや)

明日は休みなのもあり、仕事終わりに俺は連絡を取って

チェーン店の居酒屋で呑んでいた。


「ほんとだよ。もう無理だわ(笑)」

俺の顔は笑っていたが、内心は笑う余裕すらないことに

おそらく、達也は気づいていたと思う。

達也は高校こそ違えど、小学生の頃からの仲で


昔からこうして話し込む事が多く互いのことをよく理解していて

頻繁に仕事終わりの俺の愚痴に付き合ってくれていた。


「俺んとこもブラック企業だなぁって感じるけど、理斗のとこはやばいな。

料理人なんて、なるものじゃねー(笑)」


ビールを片手に達也が小馬鹿にしてくる。


「うるせーよ(笑)」



そうして話しているうちに


日頃の疲れからか、お酒も進み


お互いに良い感じに酔っていった。