「ごめんなさい。クラスの女の子達がお昼に集まって一つのお弁当を食べてて…


私も貰ったら理斗くんのお弁当だったの。」


彼女は俺から少し視線を外しながら丁寧に説明をしてくれた。


おそらく、クラスの女子達は



俺は体調悪くて寝てるから弁当要らないだろうって事で


みんなで食べたのだろう。



「そっか…食欲無かったから大丈夫だよ」


凄く申し訳なさそうに言ってきてくれた彼女だったけど



正直、体調悪すぎて食欲なんて無かったから



ありがたいと思った。


すると彼女は…


「勝手に食べたのに…こんな事言うのも変なだけど凄く美味しかったよ…


あんなに美味しく作れるって凄い練習したんだねっ。」


悪い事をしたという罪悪感からか…


彼女は小さな声でそう言って保健室を去っていく。

そんな彼女を見つめながら


俺は最後の一言に固まってしまっていた。


初めて自分の頑張りを褒めてもらえたことに


今までの努力が報われたような気がして



俺の目からは自然と涙がこぼれていた…


これが俺の初恋だった。