「それで、理斗何で泣いてたの?」

お店から出てすぐに

さっきの涙をからかうように達也はニコニコしながら俺に言ってきた。


くそっ、意地悪そうな顔してこいつ(笑)


「知らねーよ!」


見られた事が恥ずかしく…俺はシラを切るように言い放った。


「なんだよ!教えてくれないのかよ!」


達也はよほど気になるのか歩道の信号が青になるのを確認した瞬間に



俺を前に行かせないために立ち塞がり言ってきた。








その時…





「おい達也!!!」



信号無視をしてきたトラックが達也に突っ込んできそうになり


それに気づいた俺は達也の服を強引に引っ張り助けようと…





でも、自分が逆に体勢を崩してしまった。



視界の隅っこに自分に迫ってくるトラックが見えた…



…あっ…死ぬのか俺…







走馬灯のように時間がゆっくり流れる感じがした







後ろで達也が俺の名前を呼ぶのが聞こえた気がしたけど…




何でかな…







嫌な仕事から解放される喜び?




よほど疲れてたのかな…



わからないけど、死ぬ覚悟をして俺は目を閉じた。