「あの~…お客様?閉店のお時間です。」


店員さんに肩を揺さぶられて目を覚ました。


え?…


あぁ…二人揃って酔って寝ちゃってたのか…


自分の状況をすぐに理解して達也の方に目をやると

まだ、気持ち良さそうに寝ていた。


達也起こさないとな…


「達也起きろ!閉店だ!」

強めに肩を揺さぶりながら大声で起こした。

「うぉ!寝てたのか!」


自分が寝ていたことに気づき、びっくりしながら


伏せていた顔をあげた達也が


俺の顔を見て不思議そうな表情をした。


「理斗…おまえ何で涙出てんの?」



突然の一言に驚きよりも、少し呆れたが…


そんなはず無いと、自分の目尻を指で確かめると
少し濡れていた。


「ほんとだ…」


あぁ…俺思い出しながら寝てる間に涙が…


そんなにも好きで悔いていたのかと自分でも驚き、
動揺した。

そんな俺をよそに


達也は無言でレジカウンターへと向かって行っていた。

冷たいなぁと少し不満に思いつつ

俺もその後ろを付いていき会計を済ませ


お店の外に出た。