「まだ確定してないけど、検査薬使ってみたら、その……」
「おめでとう海愛!」
「え?」
戸惑いを隠せなかった。
「私……生んでもいいのかな」
苦笑いを浮かべる私に、智淮は溜息をついた。
「バカじゃないの?」
「……え?」
「あんた、蓮くんのことばっかり考えてるでしょ。これは海愛の問題でもあるんだよ?あんた自身が生みたいのか、生みたくないのか、ハッキリしないとお腹の子もかわいそうだよ」
――――本当の……気持ち? それは。
私はお腹を擦りながら、言った。
「生みたい。もし本当に、私と蓮の子が、ここにいるのなら……私、生みたい」
私は決意した。なにがあっても、私がこの子を守ろう。神様がくれた大切な、蓮との最後の繋がりなのだから。
私の目を見た智淮は、満足そうに微笑んだ。
「頑張れ、海愛」
「うん、ありがとう」
私は蓮に自分の思いを伝えることを決め、親友の元を後にした。