「お仕事、頑張ってね」
――――蓮、赤ちゃんができたかも。生んでもいい?
「ずっと一緒にいようね。大好き」
本当に伝えたい言葉は、思うように出てこない。
そんな日常に堪えきれなくなった私は、親友に助けを求めた。智淮に連絡を取った私は、その日のうちに会う約束をした。まだ小さい鈴音ちゃんを腕に抱きながら、智淮は快く私を迎えてくれた。
「鈴音ちゃん、今いくつだっけ」
「えっと……あたしが二十一歳の時に生まれたから……今年で三歳かな! ね、鈴」
「しゃんしゃい!」
幸せそうな親子の姿を目の前に、胸が痛んだ。
「で? あんたが突然あたしに会いたいだなんて、なにかあったの? もしかして蓮くんと喧嘩でもした?」
智淮はいつも私にとって一番いい結論を出してくれる。なにより、智淮の言葉は私をいつも励ましてくれた。だから私は、智淮を頼るのだ。
「智淮……あのね、私……妊娠したかもしれない」
「え、本当に?」
私の言葉に、智淮は驚いていた。