「智淮のことがあった時、本当に嬉しかったんだぜ?親友はこいつしかいないって、本気で思ったし。そんなお前が、自分のこと打ち明けてくれたから、オレも打ち明けた。だって、オレたち親友だろ?」
那音は泣いていた。
「ふっ……なに泣いてんだよお前」
那音の涙が僕の涙腺を刺激する。
「ああ、ごめんな、那音。本当にごめん」
素直な言葉がスラスラと口からあふれ出す。心を分かち合う、とはこういうことなのだろうか。
「オレこそ、さっきは殴って悪かったな」
「いいさ、こういうのも親友っぽい」
その瞬間、今まで心に巣食っていた不安が消え、僕はようやく本当の意味で那音と親友になれた気がした。