「どうしたんだ?」

よく見ると彼女の手は震えていた。

なんでこいつは......

「ク、クラスの半分以上の子は美琴のことを助けたいと思ってるんだよ」

「それならどうして助けねぇんだよ!」

「怖いんだよ!あの5人に目をつけられて、イジメられるのが!」

と、そいつは苦しそうに言った。

そうだ、やっとわかった。

あいつらが見て見ぬ振りをしている理由が。

「すまない、言いすぎた」

「大丈夫。私たちも悪いんだもん」

クラスの半分以上が美琴を助けたいと思っているか......

「それで、どうして美琴が目をつけられてるんだ?」

そう俺がたずねると、彼女はゆっくりと口を開いた。