それは終業式の日に起こった。
式も終わり、みんなが楽しそうに帰って行く中、私はみんなが帰るのを待っていた。
もうみんなとは会いたくないから
私はそう思い、1人、建物の影に隠れながら座ってた。
すると、数人の男女の声が聞こえてきた。
その子たちは大きな声で話をしている。
別にこの人たちの話に興味はないから無視していよう
私は見つからなそうな場所にそっと移動した。
まぁ、どうせ私の悪口でも言いに来たんだろう。
「ねぇ、美琴まじなんなの?太陽くんと仲良くしててさ」
やっぱり
しかもこの声はいつもの5人組の声だ。
「いや、太陽も太陽だろ」
「まぁな。俺、あいつのそういうとこ嫌いだわ。偽善者的な?」
「それに女子人気あっていらつくし」
自分の悪口を言われるのは慣れている。
けれど、太陽のことを悪く言われるのはなんかいやだ
「そんなに太陽くんのこと悪く言わないでよ~私、太陽くんのこと好きなんだから~」
「なんかショックだわ」
「というか美琴が私と太陽くんの邪魔になってるのよ~」
別に邪魔をしているつもりはない
「美琴と晴馬の話をすればいいんじゃない?」
やだ......
太陽には知られたくない
なんでだろう?
今までこんなに強く知られたくないと思ったことはなかった
太陽がいつも近くにいて、その彼が急にいなくなるのが怖いから?
みんなから好かれている太陽が敵になるのが怖いから?
それとも単純に嫌われたくないから?
太陽のことが好き......だから?