パリーン

小さな窓が割れ、キラキラと窓ガラスが降っている

「美恋ちゃん!!」
小窓から入ってきたのは龍くんだった
驚いた衝撃であたしから遠のく小山とか言う男

「な、なんだ!いきなり!!」
「なんだって無いでしょー、
つーか先輩に対する口の利き方がなってねーんだよ、
うちのとこ大事なお嬢にこんな目にあわせやがって」

いつもと違う、凄い低い声で、話してる龍くん
別人のようで、少し驚いてしまった


私と小山の間に立ってあたしを背中に隠してくれた龍くん

「美恋ちゃん遅くなってごめんね」
いつもの優しい声でこっちを横目で見てくる
龍くんをみてほっとしたあたしは安心して涙が止まらない
声が出なくて首を横に振るしかできない私の頭をスルッと撫でて小山と向き合った

「お前女の子好きになったことねーのかよ、こんなやり方で、ったく、」
「だ、だって、美恋さんが僕だけを見てくれないから」
「ぁあ?甘ったれたおめーの考え方は1回怖い目に会わなきゃ変わんねーようだなぁあ」
胸ぐら掴んで眉間にシワ寄せて
ドスの効いた龍くんの声にビビった小山はそのまま失神した

「はぁ、ったく、何が小山だ、
本名早川だろうがクソが、
美恋ちゃん大丈夫か?怪我は?」
「大丈夫、ありがとう龍くん、」
口を塞がれてた布も手を縛られてた縄もほどかれ、
南京錠の鍵を小山のポケットから取り出して出ようとした時だった

首元に電流の走る音と痛み


また、意識が、消えていく