美恋side

少し短め黒髪に、赤みがかかった瞳のお兄さん、
私の住んでる街では有名な不良、
今ではヤクザになったって聞いた
でも、ヤクザって言うより、極道っぽかった
助けてくれたあのお兄さん、
結構怖いとか聞くけど、
全然怖くなかった。
優しい。そう思えた。
震えてた時に優しく頭撫でてくれた手は、優しい人の手だった、

婦警さんに家に送ってもらったけど、
帰りたくない。
出来ることならさっきまでいた警察署にでもいたい
「遅かったじゃねぇか」
玄関のドアが開いたと思ったら
酔っ払ってるお父さんが出てきた
…いや、お父さんなんて呼びたくない
私の本当のお父さんのとこに行きたい
お母さんにも会いたい、



『いい?どんなにツラい事があっても、その分だけ幸せなことがあるわ
神様は、乗り越えられる試練しか与えないの』
『ママ?』
『今は分からなくてもいいわ』

夢に出てきたお母さんは、
幼い頃に見た姿だった、