「ただいま〜。はい、メロンパン!!」

僕の大好物のメロンパンを手に幸人が戻ってきた。

「早いな」

「そうでしょ〜」

自慢げにそう言って自分のカレーパンを頬張る。

僕はメロンパン。幸人はカレーパン。
これは、2人の間では暗黙の了解だ。そして、

「あれ、月島さんいないね」

「ああ、、うん」

僕が彼女__月島 華憐に想いを寄せているのも暗黙の了解。

幸人に口に出して「月島華憐が好き」なんて言ったことはないのに気がついたら知っていた。
恐るべきヤツだ。

「いっつもいないけど、どこ行ってるんだろうねー?」
「さあ、、」
「気になるでしょ?」
「まあ、、」
「もー、なんで月島さんの話になると反応薄くなるの?!バレバレすぎる、、」
「、、。ほっとけよ」

幸人の感が鋭いんじゃなくて僕がバレバレだっただけ、、?
そんな怖い発想が生まれて慌てて否定する。
そんなわけない。。
幸人が鋭いだけだ、、。

「ハイハイ。でもさー、実際月島さんってモテるよねー。ミステリアスで美人で、、」

「モテる?!誰も話しかけてるとこ見ないじゃないか」

「いきなりなにその反応、、。まあ、いいけど。そりゃ、話しかけられないでしょ。美人すぎるし、高嶺の花?」

高嶺の花か…
僕はなんて人に恋をしてしまったんだろう…
せっかく隣の席なのに話しかけられないし

「そんなに落ち込まないでよー、」
「落ち込んでない」
「相変わらずだね、、、」

苦笑された。
そんなに感情がバレバレだろうか、、