トイレ、行こうかな。

教室からでると、やっぱり寒い。
冬の暖房がない廊下はどうしても冷える。

さっさと行って教室戻ろ。

「ねぇねぇ、」
ん、梨彩、?
「どしたのー?」
この声は、紗英だよ、ね。
「美香のことなんだけどさー。」
なんの、話、だろう。
思わずたてる聞き耳。

わかってる。聞かない方がいいということ。
頭の中では警鐘が鳴っているのだから。

でも、足は動かない。