橋田は…いつも余裕がある。 隙がなければ性格も賢い。 『………』 私は彼ほど頭は賢くないんだ。 言い争いは嫌いなだけあって口下手だ。 余裕がなくて橋田よりも弱く見えた私。 私はふつふつと沸き上がった黒い塊に耐えつつ 橋田に近づいて… グイッ……………―― 「…おい、倉島…?」 ネクタイを引っ張って… 唇を静かに重ねた。