私倉島由佳(くらしま ゆか)は周りから優等生だと
言われている。








成績は必ず学年一位。ずっとその座を死守してきた。








趣味は読書に勉強、俳句や詩などのコンクールに
参加すること。







おしゃれに力を入れるキラキラした周りの女子とは
比べ物にならないくらい私は女を磨いてこなかった。








つまり、女子力がない。

髪型は黒髪を後ろで結いていて、
特にアクセサリーもしない。






顔立ちや体型、服装だって至って普通。
どこにでもいるような平凡な155cm。







キラキラした女子を劇中に出てくるヒロインと
すると、私は村人A、もしくはそれ以下。






兎に角私からしてみればおしゃれなんて二の次。
昔の人が言う一に勉強、二に勉強ということだ。







それが私のモットーであることには変わりないのだ。

でも、そんな平凡な私には彼氏がいる。







恋というものはするつもりなんてなかった。







でも、折角の高校生活でと後悔するならば
いた方がいいのだろう。と思った私は
今の彼氏の告白を受け入れたのだ。

彼の名前は橋田瑛翔(はしだ えいと)。








彼も私と同じ優等生だ。








でも彼は私と住む世界が少し違う。







私は平凡で地味な生活を送り続けているのに対し、
彼は友達が数人いて、輪の中に溶け込めるような
いわゆるムードメーカーみたいな存在だ。







眉、目、鼻、唇顔立ちが整っていて、
髪型も洒落ているような非の打ち所のない外見。
しかも身長だって175cmという高身長。






すなわちイケメンの部類。

告白は彼からだった。







何事も無かったかのように高校2年間過ごしていた
私だったが、今年進級してすぐのこと。








初めて同じクラスになった彼に、
突然放課後図書室で告白されたのだ。

今は放課後。








今日は図書室で勉強してから
一緒に帰るとのこともあって、
図書室で私と彼は勉強の最中。








カリカリ。








静寂な雰囲気に包まれている図書室で
シャーペンが走る音だけが聞こえる。







ふと彼を見ると長い睫毛に切れ長の2重の目が。








顔。整っているなあ。








そう感心しつつ、私は再びシャーペンを
走らせた。