「...まずは、創立100年目という、節目ある年に首席入学できたことが、喜ばしい一点です」

昨日、台詞を覚えてきた。

「オープンキャンパスで来校した際には、ここと決めていました。秋園学院は、勉学・礼儀・友愛をモットーにし、市、いや、日本が誇る『完璧校』と言われています。ですから、ここと決めていても、やはり自信があったとは言えなかった」

顔を輝かせて話を聞く者、気怠そうに話を聞く者。____次には、そのどれもの人が同じ顔をするであろう。

「ですが、受験当日の朝、母が言いました」

私は深呼吸をし、最大の笑顔で、

「『受験はしなくていい。君は特待生として入学式に来て欲しい。とのことだそうよ』と」



そう言った瞬間、体育館に悲鳴が響く。
構わず話を続ける。

「保護者の皆様、騙されてはなりませんよ。この学校は、このような不正を堂々とします」

微笑み、一礼。檀上をおりる際、横目に校長を見た。
...案の定な顔面蒼白だった。教員たちは校長に何事かを言っている。