碧斗「神谷さんだよね?」
『神谷茉莉だよ、茉莉って呼んで』
碧斗「じゃ、りぃーちゃんだね」
『うん』
碧斗「りぃーちゃんはいつも勉強ばかりなの?」
『うん、私には双子の兄と中3の弟が居るんだけど、
凄く頭がよくて、私はいつも比べられるの』
碧斗「そうなんだ、りぃーちゃんは頑張り屋さんだね」
『そんなの言われたの初めて』
碧斗「俺、今まで、礼都学園に居たんだ」
『じゃあ、神谷真咲って知ってるよね?』
碧斗「真咲の妹なのか?」
『うん、もう何年も会ってないけど、長い休みで帰ってきても、両親は私だけ、部屋に居させて、自分達は
外食に出掛けてる、その間私は、何も食べないで
ずっと部屋に居るの、2年前、そのせいで部屋で倒れたの、その時お父さんが私の異変に気づいて、病院へ運ばれて何とか助かったの、でも今でも現状は変わらない』
碧斗「それ、虐待じゃん、真咲が言ってた通りだ」
『真咲が?』
碧斗「いつもりぃーちゃんの事を心配していた、
部屋の前に菓子パンがあったことないか?」
『あった、菓子パンやスナック菓子』
碧斗「お母さんの目を結んで、真咲は部屋の前においてたんだ、何度もりぃーちゃんに会いに行こうとしたけど、
会わせて貰えないって、弟とも毎日連絡してるけど、
現状は変わらないって、心配って」
『真咲は私のこと、嫌ってないの?』
碧斗「逆だよ、真咲今でもりぃーちゃんに会いたがってる、俺はりぃーちゃんに会うためにここに来た、
真咲に頼まれたんだ、りぃーちゃんを守ってくれって」
『真咲・・』
碧斗「りぃーちゃん、家に来ない?」
『碧斗くん家に?』
碧斗「俺ん家、藤原カンパニーなんだ」
『え!』
碧斗「父さんたちも虐待の話は知ってる、保護したいって言ってる」
『本当にいいの?』
碧斗「ほっとけないよ、真咲に言われたからじゃない、
りぃーちゃんを見て思ったんだ」
『碧斗君、よろしくお願いします』
碧斗「そうと決まれば、早退して、にも拘らずまとめよう」
私は碧斗に言われるまま、家に向かって歩き出した。