「川島くんっ!!!」
急にそんな声が聞こえて振り返ってみると、
廊下を歩いてる諒の腕に山内奈実が絡み付いていた。
「あ……。」
知菜が心配そうにあたしの顔を覗き込んだ。
それでも諒に視線を送った。
こっち見ろ。
あたしに気がついて。
あたしに……話かけてよ。
そんなことを考えてたからか諒とバッチリ目があった。諒は驚いたのか少し目を見開いて、すぐにあたしから顔をそらした。
目があった。
あたしに気がついてくれた。
そんなことが嬉しかったけど、それより
山内奈実が気になって
付き合ってるのかな?
一気にそんな不安が心の中からわきだしたんだ。
「琴?大丈夫?」
「だいじょーぶっ!」
心配すり知菜に無理矢理つくった笑顔を向けたんだ。