ガラララ


教室のドアを開けると、私と沙梨奈はすでに教室に集まっていたクラスメイトたちから一斉に視線を集めた。


な、なんか注目されてて恥ずかしい。

思わずチェックのスカートの裾をぎゅっと掴む。


「沙梨奈〜、なんかやたら見られてない?」

「そんなの美玲衣が可愛いからに決まってるじゃん♪ほらほら、黒板に座席表貼ってあるみたいだから見に行こっ」


沙梨奈の背中に隠れるようにくっついて教卓へ向かう。

黒板の中心に貼られた座席表は、どうやら最初だからか名簿順になっているらしい。


「沙梨奈と離れちゃった…。いーなー、1番後ろじゃん」

「美玲衣は丁度教室のど真ん中だね。いいじゃん、もしかしたら隣の男子が超イケメンかもだし?サリなんて後ろだけど隣いないし!」

「も、もう。初日早々何言ってるの。あ、本当だ。このクラスは女子が1人多いんだね」


キーンコーンカーンコーン


そのまま予鈴が鳴ってしまったので、教室で散らばっていた生徒たちが自分の席につき始めた。


「ま、とりあえずサリたちも席つこ!大丈夫だって!席替えくらいすぐあるよ!」


沙梨奈にぽんぽん、と肩を押されて私は渋々彼女と離れ、教室中央の自分の席に向かった。