海さんは私のためにお休みを取ってくれて、病院に付き添ってくれた。
病院に着くと「小児科じゃなくて良かった?」なんて私をからかってきたけれど。

保険証を出して問診票を記入し、検温すると38度でそれに気付いたら意識が朦朧としてきたが、何とか堪えながら待合室で呼ばれるのを待つ。


「椿、辛かったらもたれ掛かって?」

優しい海さんの肩を借りながら待合室で待っていると、


「神島椿さん」


ドキッ!


初めて誰かに『神島椿』って呼ばれた。

変に顔がにやけちゃう。