手が繋がる。

さっきは繋がれても心の中は冷たかった。

でも今は温かさしか感じない。


「冷たい」

「すいません!」

「服も濡れて寒いよね?」

「大丈夫です」と返しそうになった私は慌ててその言葉を喉の奥に飲み込み、

「さ、寒いです」

本音を素直に吐いた。

すると海さんは私の本音が嬉しいのか微笑む。

そして突然着ていたジャケットを脱ぐと、びしょ濡れの私の肩に掛けてくれた。

でもこれだと海さんのジャケットが濡れてしまう。

「ありがとうございます……」

ジャケットが物凄く気になったけれど、謝るよりも海さんのしてくれた気遣いに御礼を言おう。

海さんはフワリと笑う。


「家に帰ったら一緒にお風呂に入ろうか」


え、