海さんは枕を持って私のいるベッドに入ってきた。


「明日の検査で異常がなかったら退院して家で過ごそう」

私の横に寝転んだ海さんは私を見つめて言った。

そうだ。
私達のハネムーンは病室になってしまうのか。

「ごめんなさい……」

申し訳なくなって謝る私。

「謝らない。俺は椿のお陰で傷一つすらつかなかったんだから。それに椿が起きなかったら、楽しむことすら出来なかったからね」

海さんは私の髪を梳きながら穏やかに微笑んで言った。

貴方を苦しめずに済んで良かった。


「起きたと言っても椿はまだ怪我人。さぁもう寝よう。おやすみ」

「おやすみなさい」

そう返すと海さんは私の唇にキスをした。